以前から気になっていましたが、独特のペンネームになぜか脅威を覚え(大げさな)、敬遠してしまっていました。今回、古本屋さんに売られていたので良い機会だと思い購入。
文章がとてもうまいくて、素晴らしいと思いました。熟練の技と圧倒的なセンスを感じました。これだけで買ってみて良かったと思いました。
問題なのは、内容でして…。
女性としてはどうしても、主役の青年(悠人)のやることに嫌悪感を持ってしまいました。
男性がわからしてみれば、律子(相手役)の方がどうかと思われるかもしれませんが…。
さらに、千賀子お母さん。
仕方がないとはいえ、隠れ家でのあの行動はどうかと。
全体的に静かで、生々しく、ジュクジュクした感じの小説です。
久々にこういうの読みました。
思い出したのは、乃南アサさんです。
この方の本も、利己的で、静かで、リアルな印象があります。たくさん本を出されているので、中には綺麗な物語もありますが。
面白いですよ。
面白いけれど、読後にもやっとしたものが残る作品でした。
物語には仏教観が幾度となく出てきますが、作者さん(女性)は仏教の家にお生まれになった、ご高齢の方のようです。
わたしが、この物語を完全に理解するのはもっと年令を重ねてからなのかもしれません。
とはいうものの、なんだか気になる作者さん。
代表作は「9月が永遠に続けば」だそうで、ちょっとこちらも読んでみたいなと思っています。
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